Differential Control of Learning and Anxiety along the Dorsoventral Axis of the Dentate

Mazen A. Kheirbek, Liam J. Drew, Nesha S. Burghardt, Daniel O. Costantini, Susanne E. Ahmari,Hongkui Zeng, Andre´ A. Fenton, and Rene´ Hen

Neuron 77, 955-938, 2013

http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0896627313000469

海馬は、記憶・学習とともに、情動行動を制御していると考えられているが、近年海馬の背側(dorsal hippocampus)と腹側(ventral hippocampus)では、神経結合とともに機能も異なっていることが示唆されている。背側と腹側海馬の機能の違いを検討するために、それぞれの海馬の活動を局所的に、時間を決めて制御できるロドプシンをマウス海馬歯状回に発現させて、腹側・背側海馬活動を光生理学的に制御しながら、学習・記憶および不安形成における腹側・背側海馬の役割を行動学的に検討した。

歯状回顆粒細胞(granule cell)に特異的にCreを発現しているproopiomelanocortin (POMC, ACTH等の前駆体)-CreマウスとROSA26-CAGstopflox- eNpHR3.0-YFPマウス、あるいはROSA26-CAG-stopflox-ChR2(H134R)-tdTomatoマウスを掛け合わせて目的のマウスを作成した。はじめに、記憶・学習における歯状回の機能を検討するために、文脈依存的恐怖学習(contextual fear conditioning)を行ったところ、?背側海馬は文脈のencodingに関与しているが、retrievalには重要でない、?腹側海馬は文脈依存的恐怖学習に特に重要でないことが明らかになった。また、不安に対する歯状回の影響を調べるために、高架式十字迷路(elevated plus maze)とオープンフィールドテストを行ったところ、?背側海馬は探索行動を上昇させるが、抗不安作用はない、?腹側海馬は探索行動には影響を及ぼさないが、不安を打ち消す作用を持つことがわかった。