Neuron (2012), 73, 1127-1142. 

“Chemical Genetic Identi?cation of NDR1/2 Kinase Substrates AAK1 and Rabin8 Uncovers Their Roles in Dendrite Arborization and Spine Development”

Sila K. Ultanir, Nicholas T. Hertz, Guangnan Li, Woo-Ping Ge, Alma L. Burlingame, 8 Samuel J. Pleasure, Kevan M. Shokat, Lily Yeh Jan, and Yuh-Nung Jan

要旨

NDRキナーゼは酵母からヒトまで真核生物で高度に保存されているセリン/スレオニンキナーゼグループの1つであり、細胞の増殖、形態形成に関わっていると報告されている。しかしながら、その下流分子や神経の形態形成での機能はわかっていない。本研究では、RNAiや活性変異体を用いてNDRのニューロンの形態形成における機能を調べたところ、NDRが活性化すると樹状突起の伸長が阻害され、不活性化もしくは発現抑制すると反対に伸長が促された。またNDR機能阻害でスパイン形態異常をおこし、mEPSC頻度の低下をおこした。これらのことは、in vivo実験でも同様の結果が得られた。著者らはさらにNDR機能の下流をさぐるために、covalent capture法を用いてNDRのリン酸化基質の探索を行った。上記assayで得られたペプチド断片の質量分析の結果、AAK1、Rabin8の2つの分子を同定した。これらのRNAiや変異体を用いて形態解析を行ったところ、NDR阻害/活性化の表現形のうち、樹状突起伸長はAAK1、スパイン形態はRabin8が担っていることが分かった。