Cell(2011), 147, 1601?1614.

“SAM68 Regulates Neuronal Activity-Dependent Alternative Splicing of Neurexin-1”

Takatoshi Iijima, Karen WuHarald Witte, Yoko Hanno-Iijima, Timo Glatter, Ste´ phane Richard, and Peter Scheiffele

要旨

シナプス前部のシナプスオーガナイザーであるニューレキシンは3つの遺伝子から成り、alternative splicingによって膨大な数のisoformが存在する。ニューレキシンのisoformの発現は、各種刺激により変化する事が知られていたが、それを調節するタンパク質や被調節部位については未知であった。著者らは、特にAS4(4番目のスプライシング領域)に注目した。この部位を含むisoformと含まないisoformでは、ポスト側の結合分子が異なることが分かっている。彼らまず小脳cultureを使って、脱分極操作によりAS4(-)部位の発現が増えることを示した。またこの経路には、CaMキナーゼ等のカルシウム依存性酵素の関与があることが分かった。次に、このisoform変換を調節している分子をデータベースにより探索し、RNA結合タンパク質SAM68に注目した。著者の予想道理、ニューレキシンSA4部位のスプライシングは、SAM68のRNA前駆体への結合依存、活動依存性があることが判明した。これらの結論は、さらにSAM68KOマウスの実験により、よりサポートされた。