Cell 143, 442?455.

“EphB-Mediated Degradation of the RhoA GEF Ephexin5 Relieves a Developmental Brake on Excitatory Synapse Formation”

Seth S. Margolis, John Salogiannis, David M. Lipton, Caleigh Mandel-Brehm, Zachary P. Wills, Alan R. Mardinly,

Linda Hu, Paul L. Greer, Jay B. Bikoff, Hsin-Yi Henry Ho, Michael J. Soskis, Mustafa Sahin,

and Michael E. Greenberg

サマリー

興奮性シナプス形成機構はよく研究されており、多くの形成促進タンパク質が特定されている。しかしながら、正常なシナプス数を調節するための分子・分子機構というのは未知のままである。著者らは、シナプス形成に重要な役割をもつEphBに注目し、その下流シグナルを探ることによってシナプス形成調整因子の探索を行った。RhoAのGEFであるEphexin1がEphA4に結合することが分かっていることから、EphBにもそのような分子が存在するであろうと考えEphexin5(E5)に注目し解析を行ったところ、実際にE5はEphB2に結合することが分かった。またE5はRhoAのGEFとしても機能した。神経細胞でのE5の機能を探るために、培養神経細胞でE5のノックダウンを行ったところ、スパインの増加、興奮性シナプスの増加、mEPSCの頻度上昇、大きさ上昇が見られた。この結果は、E5のノックアウトマウスでも確認された。また、変異体を用いた実験からその活性はE5のGEF活性によるものだということが分かった。さらに著者らは、E5活性のシグナル経路を解析したところ、E5はEphrinによるEphBへの刺激で、チロシンリン酸化され、その後分解されることが分かった。このE5の分解がプロテアソームインヒビターlactacystinによって阻害されることから、E5のユビキチン化に注目した。シナプス形成に関与していると報告されているユビキチンリガーゼ(E3)を調べたところ、Ube3がE5のユビキチン化を行っていることが分かった。つまり、EphBの下流において、E5のチロシンリン酸化、ユビキチン化、プロテアソーム分解というシナプス形成調節機構が判明した。