kalirin-7シグナルを通して、5-HT2Aセロトニン受容体がスパインの形態形成を急速な調節している(主論文サプリメンタルデータ

Kelly A. Jones, Deepak P. Srivastava, John A. Allen, Ryan T. Strachan, Bryan L. Roth, and Peter Penzes.

Rapid modulation of spine morphology by the 5-HT2A serotonin receptor through kalirin-7 signaling.”

Proc Natl Acad Sci USA(PANS). 106, 19575-19580, (2009)

5-HT2Aセロトニン受容体はセロトニン受容体のサブタイプであり、大脳皮質において主に錐体ニューロンに存在する。5-HT2Aセロトニン受容体はいくつかの幻覚剤、抗精神薬のターゲットになっていて、精神障害と関連している。また、樹状突起スパインの形態形成にも関連している。しかし、大脳皮質での樹状突起スパインの形態形成において、5-HT2Aセロトニン受容体の役割についてまだ分かっていない。本研究で、筆者らは5-HT2Aセロトニン受容体がスパイン内と樹状突起のシャフトに存在していることが確認され、ラットの大脳皮質の錐体ニューロンのスパインの一部分でPSD-95、multiple PDZ protein-1(MUPP1)と共局在していることが分かった。また、5-HT2Aセロトニン受容体のアゴニスト(DOI)を培養した大脳皮質ニューロンに投与した結果、スパインのサイズが一過性に増大することと、PAKのリン酸化を誘導した。PAKはニューロンのRac guanine nucleotide exchange factor (RacGEF)であるkalirin-7の下流ターゲットである。Kalirin-7はスパインの再構築にとって重要であるが、その役割はまだ調べられていない。筆者らはkalirin-7の局在を防ぐペプチド干渉(interfering)を用いて、DOI誘導のPAKリン酸化とスパインの形態形成を破壊したことが示唆された