The Journal of Neuroscience (2013), 33, 19051-9.

"Neuroestradiol in the hypothalamus contributes to the regulation of gonadotropin releasing hormone release." Kenealy BP, Kapoor A, Guerriero KA, Keen KL, Garcia JP, Kurian JR, Ziegler TE, Terasawa E.

内側基底視床下部(MBH)―正中隆起(S-ME)からの性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)は正常な生殖機能に必要不可欠である。GnRHの放出は卵巣からのエストラジオール(E2)のネガティブもしくはポジティブフィードバック効果により制御されている。

この研究で著者らは、卵巣由来のE2を無くした卵巣除去雌アカゲザルにおいて、正中隆起に放出されたニューロエストラジオールがGnRHの分泌にも直接的に関与していることを報告した。著者らは以下3つのことを発見した。(1)エストラジオールベンゾエイト(EB)を正中隆起に注入すると短時間でGnRHとE2の正中隆起での分泌が刺激された。(2)MBHの電気刺激によりGnRHとE2の分泌が引き起こされた。(3)正中隆起にアロマターゼ阻害薬を直接注入すると自発性のGnRH分泌が抑制され、またEBによるGnRHとE2の分泌も抑制された。これらの発見は、GnRHの分泌制御における、ニューロエストラジオールの神経伝達物質としての重要性を明らかにした。GnRH分泌制御において卵巣由来のE2のサーキットが視床下部のニューロエストラジオールとどのような相互作用をしているかについてはこれからの課題である。