EMBO Molecular Medicine, 5, 591-607, (2013)

"Lis1 controls dynamics of neuronal filopodia and spines to impact synaptogenesis and social behaviour"
Anamaria Sudarov, Frank Gooden, Debbie Tseng, Wen-Biao Gan, Margaret Elizabeth Ross

Lis1はシナプス形成や社会行動に影響のある神経細胞のfirpodiaやspineの動きを制御する。

LIS1の変異は神経の移動を傷害し、ヒトの脳では滑脳症を引き起こす。最近の研究で、LIS1はシナプスに発現する自閉症遺伝子、またタンパク質ネットワークの相互作用の結び目として重要であるとされている。しかし、どのようにしてLIS1が自閉症に関与しているかはこれまで調べられていなかった。著者らは、マウスの成熟したニューロンのシナプス形成と社会行動におけるLIS1の役割について調べた。生体内でアクチンの多くあるフィロポディアとスパインを2光子顕微鏡で観察したところ、青年期のLIS1+/-マウスにおいて第5層における錐体ニューロンの樹状突起のターンオーバーの割合と運動量が有意に減少した。また、未成熟の培養神経細胞ではLIS1+/-のフィロポディアの密度と長さ、またLIS+/+に比べてRhoA依存的に障害性の動態が見られた。さらに、青年期のLIS+/-マウスは社会性が欠陥していた。生後LIS1をKOすると、海馬の発達が制限され、フィロポディアの密度と社会行動が欠損した。このように、LIS1はスパインの可塑性の減少に関係があるフィロポディアの動きとスパインのターンオーバーに関連した役割を担っており、それは発達期の自閉症用行動に結びついている。