Activity-dependent Growth of New Dendritic Spines Is Regulated by the Proteasome Andrew M. Hamilton, Won Chan Oh, Hugo Vera-Ramirez, Ivar S. Stein, Johannes W. Hell, Gentry N. Patrick, and Karen Zito Neuron 74, 1023-1030, 2012

新しい樹状突起スパインの活動依存的成長は、プロテアソームによって制御されている。

新しい樹状突起スパインの成長は大脳皮質において経験依存的な神経回路の可塑性に貢献している。しかし、スパイン成長を導くシグナル経路はまだ解明されていない。             これまでの研究で、プロテアソームは活動依存的なニューロンのシグナリングにおいて重要なメディエーターであることが分かっている。                                              今回著者らは、活動依存的なスパイン形成でのプロテアソームの役割を調査した。              薬理学的手法(グルタミン酸アンケージングとGFPをトランスフェクションした海馬ニューロンの2光子イメージング)を用いて、プロテアソームの急性抑制によって活動依存的なスパインの成長が阻害されることを示した。さらに、プロテアソームのサブユニットであるRpt6内でスパインの成長に関与している部位のセリン残基をアラニン残基に置換した変異体では、活動依存的なスパインの成長を阻害した。また、NMDA受容体とCaMKIIを介したシグナリングでは、スパイン成長の促進をした。これらのデータは、局在的なプロテアソームにおいてNMDA受容体、またはCaMKIIに依存したプロテアソームの分解増加によってニューロンの活性化はスパインの成長を促進することを裏付けた。