Narp regulates homeostatic scaling of excitatory synapses on parvalbumin-expressing interneurons

 

Chang MC, Park JM, Pelkey KA, Grabenstatter HL, Xu D, Linden DJ, Sutula TP, McBain CJ, Worley PF

 

Nat Neurosci 13:1090-1099 (2010)

 

要旨:

恒常的シナプススケーリングは神経ネットワーク活性の持続的変化を補償するように

シナプス強度を変化させる機構であり、興奮性ニューロンと抑制性ニューロンの両方

にある。

最初期遺伝子Narp(neuronal activity-regulated pentraxin)は分泌性のシナプス蛋白

をコードしており、AMPA受容体に結合して同受容体の集積を引き起こすことができる。

著者らはNarpがparvalbumin陽性の介在ニューロン(PVニューロン)に多く存在すること

を見出した。ネットワーク活性が増加するとPVニューロンの興奮性シナプス強度が恒

常的に増加することによって抑制機能が強化されるが、この反応はNarpノックアウト

マウスの培養ニューロンでは起こらなかった。PVニューロン上の興奮性入力の活動依

存的な変化は急性海馬スライスにおいてもNarp依存的であり、さらにNarpノックアウ

トマウスではキンドリング誘発てんかんに対する感受性が高かった。われわれはこれ

らの結果より、NarpはPVニューロンの興奮性シナプスにAMPA受容体を集積させること

によって、ネットワーク活性の増加に対して興奮性/抑制性の動的平衡を再調整するよ

うにはたらくと考えている。