PNAS, 110:E4510-9 (2013), Wiegert JS and Oertner TG

Long-term depression triggers the selective elimination of weakly integrated synapses

Abstract

LTDは活動依存的にシナプス伝達を弱めるが、個々のシナプスがその抑圧の状態を無期限に保つのかどうかについては明らかになっていない。我々は、光遺伝学的手法を用いた特定のシャーファー側枝刺激と二光子顕微鏡によるカルシウムイメージングを組み合わせ、LTD誘発後1週間の個々のシナプスの様子を観察した。CA3錐体細胞を1Hzで光刺激するとCA1におけるカルシウムトランジェントが抑圧され、これにはNMDA受容体の活性が必要であった。本研究において、LTD後には抑圧されたシナプスとその近隣のシナプスは海馬回路から消えることを見出した。抑圧された個々のシナプスの残存率はシナプス伝達の確実性と相関関係があったが、スパインサイズやカルシウムトランジェントの振幅との相関性はなかった。LTDはますシナプス機能を一様に抑圧し、その後確実性の低いシナプスから選択的に淘汰されると考えられる。