Michelle W.M. Li, et al., “Actin-binding protein drebrin E is involved in junction dynamics during spermatogenesis"Spermatogenesis 1, 123-136 (2011)

 

アクチン結合タンパクドレブリンEは精子形成時のアクチン結合ダイナミクスに関与している

アクチン細胞骨格は精上皮細胞において精子形成の間、様々な重要な働きを担っている。しかしながら、この働きにおけるアクチンダイナミクスの機能的重要性に関する研究は余りなされていない。精子細胞-セルトリ細胞間に見られ、その接合に働いている精巣内特殊接合装置(apical ES)やセルトリ細胞間を基底区画と頂部区画に仕切り、精子形成を血液環境から保護している血液-精巣関門(BTB)にはギャップジャンクションやタイトジャンクションが存在し、アクチンが働いている。先行研究から、apical ES とBTBのアクチンにはEps8やArp3が存在し、それぞれアクチンの束化や核化に働いていることが分かっているが、今回の研究から同じくアクチン結合タンパクであるドレブリンが時期、場所特異的に発現していることが分かった。また、ドレブリンはその増減により他のアクチン重合、脱重合タンパクを介して、apical ESやBTBを調節していることが明らかになった。