PLOS One. 2013, 8(8): e71957 Patricia Kreis, Rita Hendricusdottir, Louise Kay, Ismini E. Papageorgiou, Michiel van Diepen, Till Mack, Jonny Ryves, Adrian Harwood, Nicholas R. Lesilie, Oliver Kann, Maddy Parsons, Britta J. Eickholt要約 アクチン制御の異常は活動依存的なシナプス伝達、神経可塑性い影響を及ぼし、認知機能障害を引き起こしうる。アクチン結合タンパク質ドレブリンはシナプス障害と認知機能障害に深く関わっていると考えられるが、ドレブリンがシナプス内でどのようなメカニズムで制御されているかは不明な点が多い。本研究では、tumor suppressorであるPTENがドレブリンと相互作用することを明らかにし、さらに、Ser647を脱リン酸化することを明らかにした。PTENとドレブリンはニューロン内において相補的に配置しており(共局在せず=リン酸化ドレブリンのあるところにはPTENはない)、これらのことからPTENはドレブリンのリン酸化を負に制御していることが考えられる。さらに、海馬スライスを用いた電気生理学的実験から神経活動がドレブリンのリン酸化を上昇させることを見出した。このことから、神経活動依存的にPTEN-ドレブリン複合体が分離することでドレブリンのリン酸化が上昇すると考えられる。本研究により、PTENがドレブリンのリン酸化を制御するという新しいメカニズムを明らかにした。また、このPTENによるドレブリン制御メカニズムの異常が認知機能障害を引き起こす原因の一つであるかもしれない。 |
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