Feng X, Liang N, Zhu D, Gao Q, Peng L, Dong H, Yue Q, Liu H, Bao L, Zhang J, Hao J, Gao Y, Yu X, Sun J.
アルツハイマー病(AD)の特徴としてアミロイドβペプチド(Abeta)の蓄積と神経細胞の脱落がある。近年、ブドウに多く含まれるポリフェノールの一種である、レスベラトロールがADの症状を緩和する可能性があることがあきらかになってきた。しかしながら、そのメカニズムはいまだに明らかになっていないことが多い。
本研究で著者らは、レスベラトロールがアミロイドβペプチドの神経毒性を弱める作用を解析するとともに、さらにそのメカニズムを明らかにすることを目的とした。
PC12細胞にレスベラトロールを様々な濃度で前添加した後にAbetaに暴露すると、レスベラトロールがAbetaによる神経細胞死の誘導を防ぐことが観察された。
また、レスベラトロールは細胞内カルシウムイオンの恒常性に寄与しており、Abetaの神経毒性を弱めていることも明らかとなった。
AbetaはSIRT1の発現(活性)を抑制するが、レスベラトロールはSIRT1の活性を回復させ、その結果、ROCK1がdownregulationされた。
以上のことから、レスベラトロールはAbetaの神経毒性をSIRT1-ROCKシグナルカスケードを介して減弱させることが明らかとなり、またSIRT1-ROCKシグナルはADの病理機構に非常に密接に |
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