PLoS One 8(3), e59888, 2013 "Resveratrol Inhibits β-Amyloid-Induced Neuronal Apoptosis through Regulation of SIRT1-ROCK1 Signaling Pathway."

Feng X, Liang N, Zhu D, Gao Q, Peng L, Dong H, Yue Q, Liu H, Bao L, Zhang J, Hao J, Gao Y, Yu X, Sun J.


要約

アルツハイマー病(AD)の特徴としてアミロイドβペプチド(Abeta)の蓄積と神経細胞の脱落がある。近年、ブドウに多く含まれるポリフェノールの一種である、レスベラトロールがADの症状を緩和する可能性があることがあきらかになってきた。しかしながら、そのメカニズムはいまだに明らかになっていないことが多い。 本研究で著者らは、レスベラトロールがアミロイドβペプチドの神経毒性を弱める作用を解析するとともに、さらにそのメカニズムを明らかにすることを目的とした。 PC12細胞にレスベラトロールを様々な濃度で前添加した後にAbetaに暴露すると、レスベラトロールがAbetaによる神経細胞死の誘導を防ぐことが観察された。 また、レスベラトロールは細胞内カルシウムイオンの恒常性に寄与しており、Abetaの神経毒性を弱めていることも明らかとなった。 AbetaはSIRT1の発現(活性)を抑制するが、レスベラトロールはSIRT1の活性を回復させ、その結果、ROCK1がdownregulationされた。 以上のことから、レスベラトロールはAbetaの神経毒性をSIRT1-ROCKシグナルカスケードを介して減弱させることが明らかとなり、またSIRT1-ROCKシグナルはADの病理機構に非常に密接に
関わっていることが明らかとなった。