Nature (2012), in press
"Optogenetic stimulation of a hippocampal engram activates fear memory recall"
Xu Liu, Steve Ramirez, Petti T. Pang, Corey B. Puryear, Arvind Govindarajan, Karl Deisseroth & Susumu Tonegawa

要旨

特定の記憶は、ある低密度のニューロンの集団にコードされていると考えられているが、それらの記憶を呼び起こし、行動としてアウトプットされるメカニズムはほとんど解明されていない。本論文では、Tet-offシステムを用いて、海馬DGにある特定の期間(contextual fear conditioning) でチャネルロドプシン2 (ChR2)を発現させる。その後で、ChR2発現ニューロンを光刺激により興奮させることにより、恐怖記憶を呼び起こし、行動のアウトプットとしてのfrezingを引き起こすことに成功した。本研究は、潜在記憶を有する特定の海馬ニューロンの低密度集団を直接刺激し、興奮させることでその記憶を呼び起こすことができることを示し、また本論文の実験手法は潜在記憶を有している細胞集団をマッピングする有用で一般的なツールとなり得るものである。