Swiech L, Blazejczyk M, Urbanska M, Pietruszka P, Dortland BR, Malik AR, Wulf PS, Hoogenraad CC, Jaworski J. CLIP-170 and IQGAP1 cooperatively regulate dendrite morphology. J Neurosci. 2011 Mar 23;31(12):4555-68.

正しい樹状突起の伸展および分岐は、神経細胞のネットワークの構築にとって重要である。また、樹状突起の形成には細胞骨格(アクチン、微小管)が重要であると考えられているが、細胞骨格がどのようにして、樹状突起の伸展、分岐を制御しているかは、未だよく分かっていない。本研究では、微小管+端集積因子(+TIPS)であるCLIP-170(cytoplasmic linker proteins)とアクチン結合タンパク質である、IQGAP1(IQ motif containing GTPase activating protein)が複合体を作り、アクチンの制御を介して、樹状突起の形成に関わる事を明らかにし、また、PI3Kファミリーである、mTORがこの複合体の結合を制御している事を明らかにした.実験手法としては、主にCLIP-170とIQGAO1のshRNAでノックダウン&レスキューをし、樹状突起がどう変化するかを検討している。また、mTORの阻害剤である、ラパマイシンを用いて、mTORによるCLIP-170,IQGAP1の相互作用(pull down, IP assay)を調べている。以上のことからスパインは3種類のアクチン線維によって制御される精巧な機械的な性質を持つことが明らかとなった。