関野祐子・せきのゆうこ

最近の総説:「海馬内興奮伝播のゲート機構 

研究テーマ
なぜ、ひとは「思い出すと腹が立つ」のか、です。 感情と記憶の結びつきのメカニズムを解明します。あなたにも、思い当たることがあるでしょう???思い出すと、ほら、顔が赤くなること・・・・・・ 感情と記憶が、脳の中でどうやってつながっているのか、知りたいと思いませんか。

半生記

研究する人生。 生き生きした海馬スライスを作る技術と、神経科学研究に関するふかーーーい洞察力で、私は生き抜いてきました。 東大の薬学部・毒性薬理学教室を卒業。 東京女子医科大学・第二生理学教室の助手として、慶応大学の生理学教室出身の菊地教授、女子医大卒慶応大学生理学教室出身の小山教授のもとで、日本の生理学教室の歴史を聞きながら、生理学者として、大脳生理学の基礎教育を受けました。ネコの定位脳手術、ゴルジ染色など、歴史的テクニックを持ってます。(でも、ネコの定位脳手術で大脳皮質の神経細胞の細胞内記録の実験は、2度としたくない実験です。) 何か一人で実験できる系を持たなければ、生きていけないと感じた私は、海馬スライスの実験系をなんとか自力で立ち上げました。 小山教授の定年を機に東京女子医大を退職して、岡崎の生理学研究所の小幡教授の門をたたきました。ここで、初めて、神経活動と、遺伝子発現にという自分にとって新しい研究にふれることが出来たのです。
私の人生の転機は、1993年にさきがけ研究21の第3期生として研究テーマが採用され、自分一人のラボを立ち上げて、3年間過ごしたことです。
そして、1996年に群馬大学の白尾研究室に赴任しました。

海馬スライスを使った、電気生理実験と、膜電位感受性色素によるイメージング法を用いて、海馬に記憶が取り込まれる時のゲート機構に着いて研究してます。

雑記
よりよい人間関係が、よりよい研究結果を生むと思います。研究者は人付き合いが苦手でもいいとか、愛想が悪くてもいいとか、社会性がなくてもいいとか、そういうことはみんな間違ったイメージだと思っています。

社会的活躍
学会:日本生理学会
   日本神経科学会
   北米神経科学学会
新聞掲載:朝日新聞科学欄 (平成4.1.7)
     毎日新聞科学欄 (平成8.3.4)
     日本工業新聞  (平成9.6.24)
その他:NHK人体スペシャル「脳と心」第3回 人生をつむぐ臓器ー記憶 番組編集協力及び、出版部分監修