脳科学を超えた新しい学問分野を創設する

3. 高次脳機能障害(アルツハイマー病、うつ病などの精神・神経疾患および放射線障害など)に関する神経生物学的研究

海馬神経細胞を用いたスパイン脆弱性のメカニズムに関する研究

アミロイドベータや酸化ストレスといった様々なストレスが細胞レベル、特に樹状突起スパインにどのような影響を及ぼすかを、ドレブリンの局在変化に着目して研究している (Ishizuka et al., 2014)。下図(左)はアルツハイマー病におけるドレブリンのスパイン集積減少モデル。下図(右)はアミロイドβオリゴマー(ADDLs)によってドレブリンのスパイン集積が減少した培養神経細胞。

文科省 科研費

石塚佑太 若手(B) 「アルツハイマー病細胞モデルにおけるエピジェネティック制御とシナプス機能の研究」


ADDLs model   ADDLs2

セロトニン受容体シグナルによるドレブリンを始めとしたシナプス機能タンパク質の局在変化とうつ病の関連性の研究

ドレブリンはポストシナプスであるスパインに局在し、スパインの形態・機能をアクチンを中心とした細胞骨格を介して制御していると考えられている。これまでアルツハイマー病の患者脳にてドレブリンが減少していることが知られているが、当研究室によりセロトニンシグナルがドレブリンの局在変化を制御していることが示唆された (Roppongi et al., 2013)。このことから、うつ病においてもドレブリンの局在変化がその発症・症状に関与していることが考えられる。当プロジェクトでは、セロトニンシグナルとドレブリンを含めたシナプス機能タンパク質の変化に着目して研究を進める。

文科省 科研費

六本木麗子 研究活動スタート支援 「セロトニン受容体による樹状突起スパインの細胞骨格制御機構の解明」

初代培養神経細胞を用いたうつ病バイオマーカー候補のシナプス作用の解析

これまでの研究でうつ病の指標となりうるバイオマーカーを探索し、あるタンパク質がうつ病のバイオマーカーの候補となった。バイオマーカーを用いてうつ病の発症およびその症状を定量的に測定することができれば、うつ病の予防や治療におけるブレイクスルーとなると考えられる。現在そのバイオマーカー候補を培養神経細胞に過剰発現させ、シナプス機能への作用を明らかにすることを目的としている。過剰発現させた神経細胞の樹状突起スパインの形態およびシナプス機能タンパク質の一つであるドレブリンの動態を解析する。

文科省 脳科学研究戦略推進プログラム(SRPBS)

課題F(健康脳)

「うつ病の異種性に対応したストレス脆弱性バイオマーカーの同定と分子病態生理の解明」

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