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応用基礎医学講義『ヒトiPS細胞の創薬実用化:医薬品の安全性薬理試験のよる副作用予測』

医学科3年生薬理学の講義の一環として、応用基礎医学講義『ヒトiPS細胞の創薬実用化:医薬品の安全性薬理試験のよる副作用予測』行いますが、教職員、大学院生など多くの方々の参加を歓迎いたします。

日 時:10月3日(木)13:00~15:10
場 所:臨床中講堂

講師: 関野 祐子 先生
(東京大学大学院薬学系研究科ヒト細胞創薬学寄付講座)

講演要旨
安全性薬理試験とは、被験薬がヒトに初めて投与される前に、心血管機能、中枢神経機能、呼吸機能への安全性を確認する非臨床試験であり、主に実験動物で実施されている。ヒトiPS細胞が2007年に樹立されて以来、さまざまなヒト臓器細胞が入手できるようになった今、非臨床試験の改革が始まろうとしている。iPS細胞の再生医療への応用研究が国策として推進され薬事法改正法の規制整備も行われて、現在その実用化が促進されている。一方、ヒトiPS細胞の創薬応用については、製薬企業内での取り組みは早かったものの、国としての取り組みは遅れていた。しかし、ヒトiPS細胞由来心筋細胞の製造が安定した2012年ごろから、これを医薬品の安全性薬理試験に応用する期待が国内外で急速に高まった。我々は、2010年からヒトiPS細胞由来分化細胞を利用する安全性薬理試験開発に取り組んでいたことから、2014年からは製薬企業の協力を得て、この新しい試験法の大規模なバリデーション研究にとりかかった。そして、日米EU医薬品規制調和国際(ICH)で合意されている安全性薬理試験のガイドラインのうち、心血管系への安全性に関するICH-E14とS7Bの見直しの国際議論において、iPS細胞由来心筋細胞を用いた新しい安全性薬理試験法を提案して、国際バリデーション研究を進めることに成功した。本講演では、新規技術を応用した新しい試験法のバリデーション研究をどのように進めたかについて紹介する。また、このプロジェクトを指揮した経験から得た「イノベーションの実用化のための研究とは何か」について考察していきたい。

講師略歴:東京大学薬学部卒業後、1980年に東京女子医科大学助手、1991年医学博士号(生理学)取得後、生理学研究所、東京都神経科学総合研究所にてポスドク、1993年10月より、さきがけ研究21の専任研究員となりPIとして独立。1996年より群馬大学医学部、助手、講師、助教授、2005年より東京大学医科学研究所の助教授(准教授に改名)を経て、2010年1月から国立医薬品食品衛生研究所・薬理部長。2017年1月より、東京大学大学院薬学系研究科の特任教授に赴任。生理学および薬理学を基盤とする神経科学を専攻してきた。電気生理学、光学測定などを得意とする。

 

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